学会・研究公開: 2026-05-19
乳児の片側白内障治療、早期介入で弱視予防効果を確認
2026年5月、米国眼科学誌American Journal of Ophthalmologyに、乳児期に片側の白内障(unilateral cataract)と診断された患者で、 手術後の弱視(剥奪性弱視)治療成績が過去と比較して改善しているかを検証した研究が掲載されました。 早期診断・早期手術と継続的な弱視訓練の重要性が改めて示唆されています。
発表の要点
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片側性の乳児白内障は弱視リスクが高い
生後早期の片側白内障では、健常な反対眼に視機能発達が偏り、患眼側に剥奪性弱視(deprivation amblyopia)を生じやすい。視覚発達の臨界期を考えると、診断・手術・リハビリのタイミングが予後を大きく左右する。 - 2
近年の治療成績は過去と比べて改善傾向
手術技術・小児用IOLや眼鏡・コンタクトレンズによる屈折矯正・遮閉(アイパッチ)療法など、複合的な治療体系が整ってきたことで、治療成績は改善傾向にあると報告。 - 3
それでも完全な視力回復は容易ではない
改善傾向はあるものの、両眼視機能・立体視まで含めた完全な視力回復は依然として課題で、家族の継続的な治療参加が不可欠とされる。
背景・コンテキスト
乳児・小児期の白内障は、加齢性の白内障とは性質が大きく異なり、視覚発達の臨界期(おおむね生後3〜4か月まで)に水晶体の混濁が続くと、その後どれだけ良い手術や矯正を行っても視機能が育ちにくくなります。
そのため、新生児健診や乳児健診で「白色瞳孔(leukocoria)」を早期に拾い上げ、眼科専門医での精査につなげる体制が重視されています。 今回の研究は、こうした早期介入の積み重ねが治療成績の底上げにつながっていることを示すものといえます。
患者にとっての意味
成人の白内障の話題が中心の本サイトですが、赤ちゃん・小さなお子様の目の中央が白っぽく見える(瞳孔が白く反射する)場合は、片側性白内障など重要な疾患のサインの可能性があります。 健診の機会や、写真撮影でフラッシュを焚いたときの瞳孔の写り方の左右差なども、 気になることがあればなるべく早く小児眼科を受診することが大切です。
この記事の読み方
本記事は、公表された研究や総説の内容を編集部が要約したものです。研究の報告は、そのまま現在の診療の標準を示すものではありません。実際の治療方針は、検査結果や目の状態、生活のしかたによって一人ひとり異なります。気になる内容があれば、記事を持参して主治医にご相談ください。