白内障ナビ
保険制度・規制公開: 2026-09-07(更新: 2026-09-10)

2026年8月から高額療養費の上限額が変わりました――白内障手術の費用にどう影響する?

2026年8月の診療分から、高額療養費制度の自己負担限度額が見直されました。 70歳以上で「一般」所得区分の方に適用される外来の月額上限(外来特例)は、 18,000円から22,000円へ、年間の上限は14万4,000円から21万6,000円へ変わっています。 白内障手術は日帰りで行われることが多く、その場合は「外来」として扱われるため、 この見直しの影響を受けます。ただし片眼あたりの差は最大でも4,000円程度で、 1割負担の方は上限に届かないこともあります。

発表の要点

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    70歳以上・一般区分の外来上限は月22,000円、年間216,000円に

    見直し前は月18,000円・年間144,000円でした。住民税非課税区分は月8,000円から11,000円になり、新たに年間96,000円の上限が設けられています。所得が一定以下の非課税区分は8,000円のまま据え置きです。なお「現役並み所得」(年収約370万円以上)にはもともと外来特例がなく、世帯単位の上限が適用されます。
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    白内障手術への影響は片眼あたり最大4,000円程度

    70歳以上・1割負担の場合、単焦点レンズを使う白内障手術の片眼あたりの窓口負担は概ね15,000〜20,000円で、月の上限に届かないことも少なくありません。2割負担(片眼30,000〜40,000円程度)の方は、上限が18,000円から22,000円に上がった分だけ負担が増えます。両眼を別々の月に受けると、それぞれの月で上限が適用されるため、合計の差は最大で約8,000円です。
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    70歳未満(3割負担)は世帯単位の月額上限が引き上げ

    年収約370万円以下の区分では57,600円から61,500円へ、年収約370万〜770万円の区分では「80,100円+(医療費−267,000円)×1%」から「85,800円+(医療費−286,000円)×1%」へ変わりました。片眼あたり45,000〜60,000円程度の白内障手術では、片眼だけなら上限に届かないことが多く、両眼を同じ月に受けた場合に上限が意味を持ちます。
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    白内障手術には関係の薄い変更点もある

    今回の見直しでは、長期に治療を続ける方への配慮として「多数回該当」の金額が据え置かれ、新たに「年間上限」(8月から翌年7月までの年単位の上限)が導入されました。白内障手術は通常1〜2回で完結する治療なので、これらの恩恵を受ける場面は限られます。
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    2027年8月にはさらに細分化される

    2027年8月診療分からは所得区分が細かく分かれ、70歳以上・一般区分でも年収約200万円以上の方の外来上限は28,000円になります(年収約200万円未満は22,000円のまま)。手術を2027年以降に予定している方は、その時点の上限額をあらためて確認してください。

背景・コンテキスト

高額療養費制度は、ひと月(1日から月末まで)の医療費の窓口負担が所得区分ごとの上限額を超えた場合に、 超えた分が払い戻される仕組みです。保険診療で行う白内障手術は手術料・麻酔料・眼内レンズ代などが対象になります。 70歳以上の方には、入院を含む世帯単位の上限とは別に、外来だけの負担に対して個人ごとの上限(外来特例)が設けられています。

厚生労働省の資料によると、今回の見直しは「低所得の方の負担に配慮しつつ、主に療養期間が短期の方に追加の負担をお願いする」 という考え方に基づいています。患者団体や保険者などが参加する専門委員会で計9回の議論を経て2025年12月に方向性がまとまり、 2026年8月診療分から第1段階、2027年8月診療分から第2段階(所得区分の細分化)が実施されます。

窓口での支払いをあらかじめ上限額までに抑える仕組み(限度額適用認定証、またはマイナ保険証での限度額情報の提供)は これまでどおり利用できます。多焦点眼内レンズを選定療養で使う場合、レンズの差額分は保険外の自己負担であり、 高額療養費の計算には含まれません。

患者にとっての意味

70歳以上で白内障手術を検討している方にとって、今回の見直しによる負担増は片眼あたり最大4,000円、両眼を別の月に受けても最大8,000円程度です。手術の時期を急いで決めるほどの差ではありませんが、両眼を同じ月に受けるか別の月に分けるかで 合計が変わることは知っておくとよいでしょう。同月に両眼を受ければ月の上限が1回分で済みますが、 手術間隔は眼の状態や医療機関の方針で決まるため、費用だけで判断せず主治医と相談してください。 また、上限額は所得区分で大きく変わります。加入している健康保険(後期高齢者医療制度・国民健康保険・健康保険組合など)に、ご自身の所得区分と適用される上限額を事前に確認しておくと安心です。

70歳以上の外来上限額(外来特例)の変化

個人ごと・ひと月あたりの外来の自己負担上限です。括弧内は年間(8月〜翌年7月)の上限額。 年収は厚生労働省資料の「年収換算」の目安で、実際の区分は課税所得などで判定されます。

所得区分見直し前2026年8月〜2027年8月〜
一般(年収約260万〜約370万円)18,000円(年14.4万円)22,000円(年21.6万円)28,000円(年21.6万円)
一般(年収約200万〜約260万円)18,000円(年14.4万円)22,000円(年21.6万円)28,000円(年21.6万円)
一般(年収約200万円未満)18,000円(年14.4万円)22,000円(年21.6万円)22,000円(年21.6万円)
住民税非課税8,000円(年間上限なし)11,000円(年9.6万円)13,000円(年9.6万円)
住民税非課税(所得が一定以下)8,000円8,000円(据え置き)8,000円(据え置き)

出典: 厚生労働省保険局「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」の70歳以上・外来(個人ごと)欄より作成。 現役並み所得(年収約370万円以上)は外来特例の対象外です。

出典

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