新眼内レンズ公開: 2026-10-05
夜間の光のにじみが少ない多焦点レンズ「TECNIS PureSee」が日本の選定療養に――特徴と費用の目安
Johnson & Johnson Visionが開発した非回折型EDOF眼内レンズ「TECNIS PureSee(テクニスピュアシー)」が、 2025年6月より日本で選定療養の対象として使用できるようになりました。 2026年3月にはFDA(米国食品医薬品局)の承認も得て、国際的な注目が高まっています。 夜間の光のにじみ(ハロー・グレア)が少ない点が大きな特徴で、多焦点レンズの選択肢を広げる新世代のIOLとして評価されています。
発表の要点
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回折格子を使わない「OptiCurve技術」でハロー・グレアを抑制
従来の多焦点IOLの多くは光を分割する「回折格子」を使うため、夜間の光源周囲ににじみやまぶしさが生じやすい。TECNIS PureSeeはOptiCurve技術により回折格子を使わず、レンズの曲面形状だけで焦点深度を拡張する設計を採用。臨床試験では97%の患者が「非常に煩わしい視覚障害なし」と報告した。 - 2
遠距離から中距離まで自然な見え方を実現
EDOF(焦点深度拡張型)レンズは遠距離から中距離にかけて連続的に焦点が合う設計で、運転・パソコン作業・家事といった日常の多くの場面でメガネへの依存を減らしやすい。近距離(手元の細かい文字など)は補助メガネが必要な場合がある。 - 3
日本では選定療養(一部自費)で使用可能
選定療養とは、保険診療の手術費用は公的保険でカバーしつつ、レンズ代の差額だけを自己負担する仕組み。両目合計の自己負担の目安は眼科により異なるが、一般的に10〜30万円程度。詳細は受診する眼科に確認すること。 - 4
適応には角膜の状態や生活スタイルの確認が必要
非回折型EDOFレンズは光のにじみが少ない反面、近距離視力は三焦点IOLより劣ることが多い。乱視の度合い・角膜の状態・日常でどの距離を重視するかによって、適切なIOLは異なる。主治医と十分に相談のうえで選択することが重要。
背景・コンテキスト
多焦点IOLはメガネへの依存を減らせる半面、光の回折現象によるハロー(輪)やグレア(まぶしさ)が気になるとの声が従来からありました。 こうした課題に対応するため、回折格子を用いない「非回折型EDOF」レンズの開発が進んでいます。
TECNIS PureSeeは、レンズ面の曲率変化(OptiCurve技術)だけで焦点深度を拡張する設計を採用しており、 光のにじみを単焦点IOLと同等レベルに抑えつつ、遠〜中距離の鮮明な視力を目指した製品です。 日本では2025年6月から選定療養として利用できるようになり、 2026年3月のFDA承認を経て日米両国での臨床データが蓄積されています。
患者にとっての意味
白内障手術でIOLを選ぶ際、夜間の光のにじみが心配な方や、「多焦点レンズを試したいが視覚障害が怖い」と感じている方にとって、 TECNIS PureSeeのような非回折型EDOFレンズは検討する価値がある選択肢です。 ただし選定療養のため費用が追加になること、 近距離ではメガネが必要になることもあるため、自分の生活スタイルと照らし合わせて主治医に相談することが大切です。
出典
- Johnson & Johnson Vision Press Release. FDA Approves TECNIS PureSee IOL. March 12, 2026.(2026-09-15 取得)
- 各眼科クリニック(日本選定療養情報)(2026-09-15 取得)