白内障ナビ
解説公開: 2026-08-31

親や祖父母の白内障手術に付き添うとき——家族が確認しておきたいこと

白内障手術についての情報は、受ける本人向けに書かれたものが多くを占めます。 しかし実際には、親や祖父母の手術に付き添う家族が 日程の調整や術後の世話を担う場面が少なくありません。 手術そのものは短時間で終わることが多い一方、術前の検査から術後の点眼が終わるまでには数週間かかります。どこに家族の手が必要になるのかを先に把握しておくと、 仕事や生活との調整がしやすくなります。

発表の要点

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    服用中の薬は事前にまとめて伝える

    血液を固まりにくくする薬や、前立腺の治療に使われる一部の薬は、手術の進め方に影響することがあります。本人が説明しきれない場合もあるため、お薬手帳を持参し、他院で処方されている分も含めて伝えられるよう準備しておくと確実です。持病についても同様に共有しておきます。
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    通院の回数は「手術1回」で終わらない

    一般的には、術前検査、手術、翌日以降の診察、その後の経過観察と、複数回の通院が必要になります。両眼を手術する場合は片眼ずつ日を分けることが多く、回数はさらに増えます。付き添いが必要な日を医療機関に確認し、あらかじめ予定を組んでおくと負担が偏りにくくなります。
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    術後の点眼は家族の支援が要る場合がある

    手術後は複数種類の目薬を1日に数回、数週間続けることが一般的です。種類ごとに回数や間隔の指示があり、手指の動きに不安がある方や、自分で管理することが難しい方では家族の手助けが必要になります。点眼の順番と時刻を紙に書いて貼っておくなど、覚えておかなくても済む形にしておくと続けやすくなります。
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    手術をためらっている場合は、まず本人の困りごとを言葉にする

    長い時間をかけて視力が落ちた方は、見えにくい状態に慣れてしまい、不便を不便と感じにくくなっていることがあります。「新聞が読みづらくないか」「夜の運転で困っていないか」など具体的な場面を挙げて尋ねると、本人が状況を言葉にしやすくなります。説得するのではなく、判断に必要な情報を一緒に整理する立場に立つほうが話が進みやすくなります。

背景・コンテキスト

視力の低下は、読書や運転のような目を使う活動だけに影響するわけではありません。 外出や人との会話が減ることにつながり、 生活全体の活動量が落ちていく面があります。 近年は、白内障手術と認知機能との関係を調べた研究も報告されています。

米国で高齢者を長期間追跡した研究(2022年、JAMA Internal Medicine)では、白内障手術を受けた人のほうが、 受けていない人と比べて認知症の発症リスクが低いという関連が報告されました。複数の研究をまとめた解析でも同じ方向の結果が示されています。 ただしこれらは観察研究であり、手術をすれば認知症を防げるという因果関係が確かめられたわけではありません。手術を受けられる健康状態の人がもともと認知症になりにくい可能性など、 別の説明も残っています。

したがって、認知症の予防を目的として手術をすすめるのは適切ではありません。 一方で、見えにくさをそのままにしておくことが生活の幅を狭めうるという点は、 本人と話し合う際に共有しておく価値のある視点だといえます。 手術を受けるかどうかは、 本人の困りごとと眼の状態、全身の状態をもとに主治医と相談して決めるものです。

患者にとっての意味

付き添いが難しい場合も、あきらめる前に医療機関に相談してください。 通院日をまとめられないか、 送迎や付き添いに使える介護保険のサービスがないか、 居住地域の支援制度が使えないかなど、 調整の余地がある部分は残っています。本人が受診をためらっている段階であっても、家族から医療機関に問い合わせて 段取りを確認しておくことはできます。手術を受けるかどうかを家族が決めるのではなく、 本人が納得して決められるように情報と段取りを整えることが、 付き添う側にできる実際的な支援になります。

出典

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