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新眼内レンズ公開: 2026-06-24

人工レンズがずれる「IOL脱臼」——日本人研究者が糖化ストレスとの関連を解明

2026年6月、欧州眼科誌Graefe's Archive for Clinical and Experimental Ophthalmologyに、白内障手術後のIOL脱臼と「終末糖化産物(AGEs)」の蓄積に関する研究が掲載されました。 日本人研究チーム(Komatsu K, Nakano T ら)が、IOL脱臼眼の水晶体嚢を詳細に分析し、 糖化ストレスが組織弱体化の一因である可能性を示した研究です。

発表の要点

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    IOL脱臼とは——術後数年〜数十年後に起こる合併症

    白内障手術で挿入したIOLは通常、水晶体嚢(のう)という薄い袋の中に固定される。しかし術後年数が経つにつれてこの袋と支持組織(チン小帯)が弱まり、レンズが本来の位置からずれてしまう「IOL脱臼」が起こることがある。視力低下や複視の原因となり、再手術が必要になる。
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    AGEs(終末糖化産物)が水晶体嚢を弱める可能性

    AGEsはタンパク質に糖が結びついた物質で、老化や糖尿病で体内に蓄積しやすい。今回の研究では、IOL脱臼を起こした眼の水晶体嚢に多量のAGEsが蓄積していることが確認された。AGEsがコラーゲン繊維の弾力性を低下させ、チン小帯の脆弱化につながる可能性が示唆された。
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    糖尿病患者での術後長期管理に示唆

    血糖コントロールが不良な場合にAGEsが特に蓄積しやすいことから、糖尿病を持つ白内障手術後患者では長期的な定期検診と血糖管理が一層重要であると研究者らは述べている。

背景・コンテキスト

IOL脱臼は白内障手術後の長期合併症の中でも対処が難しいもののひとつです。 高齢化が進む日本では術後10年・20年を経過した患者の増加に伴い、 IOL脱臼の件数も徐々に増えていると言われています。

これまで脱臼の原因として外傷・眼の形状・手術手技などが挙げられていましたが、 AGEsという生化学的な因子との関連を示した本研究は、 予防の観点から新たな切り口を提示するものです。

患者にとっての意味

白内障手術を受けた後も定期的な受診を続けることが重要です。 特に糖尿病をお持ちの方や手術から10年以上経過している方は、「見え方が急に変わった」「ものが二重に見える」「レンズが見える」といった症状が出た場合、 すぐに眼科を受診してください。 IOL脱臼は早期発見・早期対応で再手術の成功率が高まります。 また、糖尿病の血糖管理を適切に行うことが眼を含めた全身の長期的な健康維持につながります。

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出典

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