新眼内レンズ公開: 2026-06-16
乱視も同時に治す「トーリックIOL」——欧州多施設研究が有効性と選び方を整理
2026年6月、眼科専門誌American Journal of Ophthalmologyに、白内障手術と同時に乱視を矯正できる「トーリック眼内レンズ(トーリックIOL)」に関する欧州多施設グループのレビューが掲載されました。 適応の見極めから術前計算式の選び方、レンズの回転安定性まで、患者に役立つ実践的な知見が整理されています。
発表の要点
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乱視0.75D以上が適応の目安
術前に0.75ジオプトリー以上の角膜乱視がある場合、トーリックIOLを選ぶことで術後の裸眼視力が向上しやすいことが示された。適応外の軽度乱視に無理に使用しても効果が限定的なため、術前の角膜計測が重要。 - 2
計算式の精度が術後成績を左右する
複数の乱視計算式(EVO-T、Kane Toric、Barrettなど)を比較すると、用いる式によって度数誤差が異なる。施設の実績やレンズプラットフォームに合わせた計算式の選択が推奨されている。 - 3
回転安定性が高い機種ほど満足度が高い
トーリックIOLは眼内で回転するほど乱視矯正効果が低下する。レンズの形状設計(プレート型・ループ型など)や素材によって回転安定性が異なるため、機種選択の際の重要な判断基準となる。
背景・コンテキスト
白内障手術を受ける患者の約30〜40%が術前に一定以上の乱視を持つとされています。 通常のIOLでは乱視の矯正はできないため、術後もメガネが必要になるケースが多くありました。
トーリックIOLはこの乱視を同時に矯正する機能を持ち、術後の裸眼視力向上とメガネ依存度の低減を実現できます。 今回のレビューは、これまでの研究成果を整理し、どのような患者に・どの計算式で・どの機種を選べばよいかを専門家の視点からまとめたものです。
患者にとっての意味
乱視がある方が白内障手術を検討する際は、担当医に「トーリックIOLの適応があるか」を確認してみましょう。 術前の角膜形状検査でどの程度の乱視があるかを測定し、 適応と判断された場合にトーリックIOLを選ぶことで、術後に遠方がよりよく見えるようになる可能性があります。 費用は選定療養(保険診療との併用)または自費となるため、術前相談で詳細を確認することをおすすめします。
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